毎年6月30日は、国外財産調書の提出期限です。ここでは、今年1月に発表された調査結果(※)などから、令和5年分までの国外財産調書の提出状況などをみていきます。
上記調査結果などから、国外財産調書の直近5年分の提出件数の推移をまとめると、表1のとおりです。

令和5年分の全国の提出件数(合計)は13,243件で4年分から6.0%増加しました。なお、国外財産調書の提出件数は、制度が始まって以降、増加を続けています。
国税局別にみると、令和5年分も東京局、大阪局、名古屋局、その他のすべてで増加しました。東京局の提出件数は8,000件を超えました。大阪局とその他も1,900件台となり、2,000件が目前という状況です。
次に、直近5年間の国外財産調書の総財産額の推移をまとめると、表2のとおりです。

令和5年分の総財産額(合計)は6兆4,897億円、前年比13.4%の大幅な増加となりました。総財産額は提出件数以上の伸びとなっています。
国税局別にみると大阪局が2年連続で減少しました。それ以外の局は10%以上の増加となっています。合計に占める割合は、東京局が78.4%と8割近い状況となっています。
総財産額の推移を財産種類別にまとめると表3のとおりです。

令和5年分はすべての種類で増加しました。財産の種類では有価証券が最も多い状況が続いており、5年分では4兆905億円と初めて4兆円を超えました。4年比も18.3%増と最も高い伸びを示しています。有価証券の次に多いのが預貯金です。令和5年分は8,479億円で9.1%の増加です。その他では、令和2年分以降で、上記以外の財産が有価証券と預貯金に次ぐ金額となる状況が続いています。
新たに国外財産を取得された方などで、国外財産調書についてお知りになりたい方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
(※)国税庁「令和5年分の国外財産調書の提出状況について」
令和7年1月に発表された資料です。総財産額と局別の財産額の合計額及び財産の種類別の合計額は、四捨五入の関係により一致しない場合があります。国外財産調書の提出制度とは、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する居住者は、翌年6月30日までに当該財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を税務署長に提出するという制度です。
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